「凶悪都市タンザニア」
タンザニアを検索すると、よく目にするこの言葉。確かに犯罪率は高い。
ただ、このレッテルが全てではない。
基本的にタンザニア人は、むしろ優しい。日本人よりもあたたかい(時も多い)
今回はそんなお話。
先日公務でダルに上がった時のこと。
行きの、家から空港まで、
帰りの、空港から家まで、
ピックアップを隊員御用達のドライバーにお願いした。
行きは7時の便。家を出るのは5時15分。飛行機なので遅れてはまずい。
時間にルーズなタンザニア人。さて、時間通りに来るのか、いつも不安である。
が、彼は一度として時間に遅れたことはないのです。ビジネスマンとして当たり前かもしれないけど、こういう小さなことから信頼は生まれるんだなとしみじみ思う今日この頃。
例によって今回も、彼は時間に間に合った。なんなら迷惑なほどに早く来た。
4時45分にクラクションが鳴った。
そして、ぼくはその音で目覚めた。起きてから準備しようと思ってたので、焦ったのはむしろ僕の方。
空港につくなりぼくは彼に
「朝早くごめん。ゆっくり寝たかったでしょ??今日は昼寝した方がいい。」
と伝えると、彼は
「問題ないよ!むしろ朝早く起きれたから今日は長い!色々なことが出来る!お前を迎えに行くまで、風呂入って洗濯して歯を磨いてチャイ飲んでラジオ聞いて、ゆっくりできたんだよ!それに、朝から仕事があって感謝してる!ありがとう!!はっはっはー!」
なんていい奴なのだろうか、、。
そしてダルからの帰り、事件は起きた。
ダルで飛行機に乗り、離陸を確認してから目をつぶった。
目を開けると、着陸姿勢に入るところだった。
時計を見ると予定よりも20分ほど早い。こんなこともあるらしい。
しかし、飛行機を降りるとそこは物凄い湿気と気温。懐かしさを感じない。
そう、離陸したはずのダルエスサラーム。寝過ごし山手線を1周した気分。
何やら(直訳なのでおかしいけど)「空で渋滞が起きたらしい。」
ただ、すぐに(0.5〜1時間後)振替の便に乗れるらしい。
よく分からないけど、遅れる旨をドライバーに伝えると「大丈夫か?おれはもう空港に着いたから待ってるよ。心配するな!」
もうこの時点でいい奴確定ですね。
結局2時間ほど遅れて最寄りの空港へ到着。おそらく2.5時間ほど空港でまっててくれたドライバー。
追加料金をとってもおかしくない。シャトルバスで帰れ!と言われてもおかしくない。
でも彼が発した第一声は
「大丈夫か?疲れただろ?」
遅れたことに対して謝ると彼は続けてこう言った。
「亮太は悪くない。運が悪かっただけだよ。それにおれも昼間に仕事がないなんて久しぶりで、ゆっくりできた!昼寝も出来たからリフレッシュできたよ。空港の周りは静かだから、気分が良い。よく休めた!ありがとう!!」
おいおいおいおい。
なんとまあいい奴なんでしょうか。
気を遣って言ってる言葉ではないです。きっと。
時間と仕事に追われる日本で、こんなことを言う人はきっといないでしょう。もしいたら、その人の職は間違いなく執事さん。
タンザニア人の優しさに触れ、心が温まるのと同時に思うことは、日本の忙しなさ。
ぼくらJOCVが直面する問題
「時間通りに、予定通りにことが進まない。」
我々が日本人だからなのか、相手が外国人だからなのか分かりませんが、多くのJOCVがきっと頭を抱えている。
が、このルーズさを僕らは見習った方がいいのかもしれません。
ルーズなのかリフライミングが上手なのか。
こういう時に、自分の小ささを実感する。
そして、やっぱりレッテルだけではない。いい人もいれば悪い人もいる。
仲良しの人もいれば、そうでない人もいる。人と付き合う上では、国文化言葉は関係ないということですね。