きりまんじゃーろでうありむ。

2018年1月〜2020年1月、青年海外協力隊でタンザニアへ。キリマンジャロ山の麓街であるモシ市で、小学校の先生として派遣されます。

ICTだけど、本題はめちゃくちゃ怒った話。

容易く想像できると思います。
ここタンザニアにおいてITが遅れていること。
いや、でもまだインフラが整備しきれていないこの国で
ITを発展させることもまた難しく危険なことなのかもしれませんが、、。
現在の世界と比較したら、
タンザニアのIT社会は遅れをとっている気がします。
が、経済レベル生活レベルで比較すると、
当時の日本よりは発展しているかもしれません。
僕はITについての知識はほぼほぼ皆無ですので
詳しいことはわかりませんが、
タンザニアにおいても、
少しずつ少しずつITやICTに力を入れていこうという動きは確かに感じます。
 
さて、この流れは当然公立小学校にも押し寄せてきています。
今まで手書きであった成績表も
(これがまた骨が折れること、、)
パソコン入力に移行しています。
一番大変なものは子どもの在籍情報。
今までは手書きだったのでほとんどが適当。
例えば名前のスペルミス。例えば生年月日の間違い。例えば住所が全員同じ。

全くもって管理されている意味がない訳ですね。

(そして、なくなっているものも、、、)
 
そして、8月に役所から「在籍情報の訂正と入力」
を言い渡された訳です。(昨年8月ね)
入力に慣れていない彼らがやったら、
3世紀かかるので僕も手伝うことに。(今年の3月ね)
(上からの指示に従順で、授業を投げ出してやろうとしてしまうので、、、)
 
でも誰がやるの?と思ったあなたは鋭いですね。
一応念のため仮にも「ITの先生」という役職が与えられています。
つまり彼らが入力する訳です。(当然名ばかりです。)
 
「授業を優先してくれ。俺が授業であなたたちが空きコマの時だけやればいい。お互い空きコマなら一緒にやろう!」
と伝えたものの、僕が最も授業数が少ないのでほとんど僕が入力していました。
それでも、2/3のIT教師は授業が終わると
「亮太大丈夫か!!ソーダ買ってきてやる!待ってろ!」
お互い空いてる時には
「亮太!休め!!俺がやったる!ただ、少しだけ教えてくれ、、、。」
なんて言ってくれます。
 
ところが数日後、「一緒にやろう!!」と残りの1/3のIT教師が突然言ってきた。
その日僕は1コマ目と最終の7コマ目しかなかったのでかなり時間がありました。
もう言わなくてもわかると思いますが、その間彼女はずーっと携帯をいじっていた。
たまーにパソコンの画面を見て「終わった??」と。
勝手にカーソルをいじるのでもう大変。
だから僕は
「ここはどこ?今日は何をする日?ここは家?今日は休日?お前は何しに来たの?」
と訪ねた。
「は?何言ってるの?私たち一緒に入力してるじゃない。本当に大変な仕事だわ〜。
 
そこで僕は校長を呼んで3人で話し合った。
(以下にその長い会話を載せます。読みにくくてすいません)
 
僕「まず最初に俺は給料を貰っていない。」
校長「そうだね。あなたはボランティアだもんね。」
僕「でも俺がこの学校の中で一番空きコマがあるよね。」
長「そうだね。日本人だもんね。無理だよそんなの。死んじゃう。」
僕「だから、空きコマの時のみ俺はこの仕事を手伝うって言ったよね?だから授業を優先してくれって約束させたよね?
長「うん。代わりにやるわけではないって言ってたよね。みんな賛同してた。」
僕「それは何でかわかる?彼らがやったら、授業やらないでしょ?それじゃあ子ども達可哀想じゃん?」
長「その通り!本当に感謝してるよ、、。っで、今日は二人でやったの?」
IT教師「当前!!めちゃくちゃ疲れたよ、、ね?亮太?
僕「こいつ今日チャットしてただけだよ。何もしてない。全部俺がやった。こいつ今日授業も何もしてない。」
IT「は?嘘つき!!!私ここにいたでしょおおおおおおおお!!!」
長「あなた確かに授業してなかったね。何してたの?何のためにここに来たの?」
僕「まず一つ、こいつは約束を破った。これは悪いことだろ??」
長「めちゃくちゃ悪い!!!!大人がすることじゃない!!!!」
僕「それともう一つ。こいつは授業を今日してない。そしてこの入力の仕事もしてない。こいつの仕事は携帯をいじること?」
長「くっっっっっっっっっそレイジーだ!!!!!」
僕「こいつは給料もらってるよね?こいつ今日仕事してないよね?代わりに誰がやった??」
長「あなた。」
僕「だよね?じゃあIT教師、今日の給料俺によこせ。代行したんだから当たり前でしょ?」
IT「なんで?」
僕「お前今日仕事してないんだよ。仕事をした人に給料を与えるのが普通でしょ?仕事してない人は給料もらえない。違う??」
IT「そうだけど、、私もいた!!全部一緒にやった!!」
僕「OK.じゃあ一緒にやらなかったところを消そう!!全部残るはずだ!!だよな??」
IT「やめてえええええ!!!!!」
僕「嘘をつくな。今日は全部俺がやった。お前はしてない。授業もしてない。だろ?」
IT「許して。」
僕「他の先生はみんな授業している。空き時間には休まずにオフィスに来てやろうとしている。お前は何もしてない。これはフェアではない。だろ?」
僕「子どもだったら大チャパ(体罰)だよね?でも俺はしたくない。そしてお前は大人だ。だから、残りの入力全部一人でやりなさい。」
IT「無理だよおおおおおお!!」
長「やるったらやる!!!」
 
 
めちゃめちゃ酷なことをしたかもしれません。
日本人の基準で動いてしまったのかもしれません。
他の2人が約束を守る中、一人だけずるをしたことが許せなかった。
そして、嘘をついたことが。
もし他の2人も同様のことをしていたら、怒ることはなかった。
ただ、手伝うことも当然なかったでしょう。
 
 
その日の帰り際、IT教師のうちの1人がものすごく怒っていた。
あいつだけずるをした!!!!!」と。
「りょうた、今日は良くない1日だったな。でも俺は感謝してる!また今度IT教えてくれ!」
「だから、ビールだああああああ!!!!行くぞおおおおお!!!」
タンザニアのこんなところが最高に楽しい。
気がついたら笑けてしまう。
 
今回は確かに腹が立ったし、怒ってしまった。
でも、僕はこの配属先がすごく好きです。基本文句もない。
配属先がここでよかったと、本当に思う。
 
日本でこんなことがもしあったら、上司を呼んでこんなこと言える??
特に学校現場で。
多分、無理な気がする。黙々と作業するんじゃないかな。
タンザニアだから言えるのか。
日本だから言えないのか。
俺が日本人だから言えるのか。
相手が日本人だから言えないのか。
相手がタンザニア人だから言えるのか。
協力隊員だから言えるのか。
言えることが良いことなのか。
言えないことが良いことなのか。
 
わからないけど、僕は良い関係を築けていると勝手に自負しています。
(実は、この話続くかも、、、、?!

一年ごしのチンチョンチャン

おそらくJOCV あるあるの一つ「チンチョンチャン」
アジア人である我々が、
日本人である我々が、
ツーリストでない我々が、
現地語がわかる我々が
できること、すべきことはなんだろうか、、、??
という趣旨のことを述べるつもりはさらさらありません。
今回は僕が「ちんちょんちゃん」と言われて何をしたのか、
についてのみ述べます。
 
僕の配属先は観光地のモシ市にある、小学校です。
前任がいたこともあり、彼のことを知っている児童や同僚は僕のことを
「CHINA」と基本的には呼びません。低学年層や転校生等は稀に「CHINA」と呼ぶ。
 
(スワヒリ語で人を表す言葉の多くは接頭辞にmやwaがつきます。したがって中国人は「MCHINA/WACHNA」が正解。そう呼ばないこともまた差別なのかな?)
 
しかし、僕は全く腹が立ちません。例え道端で言われても然りです。
だってしょうがないもんね。僕たちアジア人は似ています。
「あれ?日本の方、、、かな?それとも、中国?いや、、韓国の方?」
なんて思うこと、我々でも何度も経験すると思います。
しょうがないことです。
 
つい先日「チンチョンチャン」と言われた。
それも、学校で。それも1年間担当した生徒に突然。
正直すごくショックでした。その周りの多くの子も笑っていた。
正直面白いことではないと思う。

ある生徒が言いました「亮太は日本人だから、そうじゃないよ!!!!」

ん?そこじゃない。別に俺が中国人でも日本人でも韓国人でも関係ない。
僕がショックだったのは、僕の生徒が「チンチョンチャン」と言ったことです。
僕に対して言ったことではなく、
その言葉を発したことがショックだったのです。
「僕の同僚、僕の児童は違う」
と心のどこかで思っていました。
僕は彼らに何も教えてませんから、当たり前のことです。単なるエゴですね。
 
そしてまた数日後。また言われました。日本語を教えていた場面で。
今度は同僚に。それもKOICA(韓国版協力隊と考えてください)のボランティアと仕事をしたことのある同僚。
 
このままでは、彼らがアジア人と関わった意味がないではないか。
そう思って僕は行動に移しました。
 
したことは簡単です。
日本に関する簡単なプレゼンをしました。
その中で、アジア人に対する差別用語について触れただけ。
と、同時に黒人に対する差別用語についても触れました。
 
同僚の多くは「知らなかったんだ。」「日中韓の判別ができないんだ!」と言う。
言い訳なんてどうでもいいわけです。これから言わなければ。自分の行いを反省できれば。
「差別」という単語をみて同僚がすぐに
「もし子どもが亮太に言ったらチャパ(体罰)するから安心しろ!!」と同僚。
いや、、、そうじゃないって。
 
僕「しなくていいよ。考えてみて。あなたがアジア人でこどもがタンザニア人だとする。もし殴ったらそのまま喧嘩になる。そしてお互いの国が嫌いになる。効果ないよ。きっと互いに互いの国が嫌いになる。結局結果はよくない。」
 
そして、もう一つ。
 
「逆を考えてみてほしい。日本語のわからないあなたが、日本にきたとする。そこで多くの日本人があなたに黒人に対する差別用語を浴びせたらどう思う?そしてその時の言い訳が
【知らなかった。】それで済む??」
 
 
僕は同僚のことみんなを友達だと思ってるし、タンザニア人が比較的好きです。

だからどうか、レイシストと思われるような行動を取らないでほしい。

タンザニアが嫌いだ!!と、思わせるような行動を取らないでほしい。頼む。

 
と、プレゼンの最後に書いて僕のプレゼンは終わりました。
 
 
プレゼンが終わった後
「すまない。怒らないでくれ。タンザニア人を嫌いにならないでくれ。許してやってくれ。亮太はおれの友達だ。だから日本人はおれの友達だ。」と。
 
そして「子どもたちにも教えよう!手伝う!!」と言ってくれる同僚まで。
すごく嬉しかった。頼めば基本なんでも(遅れるけど)手伝ってくれるタンザニア人。
それでも、自ら進んで仕事を増やすようなことは非常に稀です。
 
1年経ってようやく動いた僕ですが、1年経ったからできたことかもしれません。
正直自分が言われてもどうでもよかった。無視してればそれでやり過ごせる。
腹をたてる労力が勿体無い。言わない人もいるしいう人もいる。そういうもんだ。そう思ってました。
 
 
でも今回、気まぐれながらもプレゼンして本当によかったと思ってます。
少しは考えるきっかけに繋がったかな??
自分がJOCVとしてここに来たことに、少しずつ意味が出て来たような気がしました。

タンザニア人の優しさ

「凶悪都市タンザニア

タンザニアを検索すると、よく目にするこの言葉。確かに犯罪率は高い。

ただ、このレッテルが全てではない。

 

基本的にタンザニア人は、むしろ優しい。日本人よりもあたたかい(時も多い)

今回はそんなお話。

 

先日公務でダルに上がった時のこと。

行きの、家から空港まで、

帰りの、空港から家まで、

ピックアップを隊員御用達のドライバーにお願いした。

 

行きは7時の便。家を出るのは5時15分。飛行機なので遅れてはまずい。

時間にルーズなタンザニア人。さて、時間通りに来るのか、いつも不安である。

 

が、彼は一度として時間に遅れたことはないのです。ビジネスマンとして当たり前かもしれないけど、こういう小さなことから信頼は生まれるんだなとしみじみ思う今日この頃。

 

例によって今回も、彼は時間に間に合った。なんなら迷惑なほどに早く来た。

4時45分にクラクションが鳴った。

そして、ぼくはその音で目覚めた。起きてから準備しようと思ってたので、焦ったのはむしろ僕の方。

 

空港につくなりぼくは彼に

「朝早くごめん。ゆっくり寝たかったでしょ??今日は昼寝した方がいい。」

と伝えると、彼は

 

「問題ないよ!むしろ朝早く起きれたから今日は長い!色々なことが出来る!お前を迎えに行くまで、風呂入って洗濯して歯を磨いてチャイ飲んでラジオ聞いて、ゆっくりできたんだよ!それに、朝から仕事があって感謝してる!ありがとう!!はっはっはー!」

 

なんていい奴なのだろうか、、。

 

そしてダルからの帰り、事件は起きた。

ダルで飛行機に乗り、離陸を確認してから目をつぶった。

目を開けると、着陸姿勢に入るところだった。

時計を見ると予定よりも20分ほど早い。こんなこともあるらしい。

しかし、飛行機を降りるとそこは物凄い湿気と気温。懐かしさを感じない。

そう、離陸したはずのダルエスサラーム。寝過ごし山手線を1周した気分。

 

何やら(直訳なのでおかしいけど)「空で渋滞が起きたらしい。」

ただ、すぐに(0.5〜1時間後)振替の便に乗れるらしい。

 

よく分からないけど、遅れる旨をドライバーに伝えると「大丈夫か?おれはもう空港に着いたから待ってるよ。心配するな!」

もうこの時点でいい奴確定ですね。

 

結局2時間ほど遅れて最寄りの空港へ到着。おそらく2.5時間ほど空港でまっててくれたドライバー。

追加料金をとってもおかしくない。シャトルバスで帰れ!と言われてもおかしくない。

でも彼が発した第一声は

「大丈夫か?疲れただろ?」

 

遅れたことに対して謝ると彼は続けてこう言った。

「亮太は悪くない。運が悪かっただけだよ。それにおれも昼間に仕事がないなんて久しぶりで、ゆっくりできた!昼寝も出来たからリフレッシュできたよ。空港の周りは静かだから、気分が良い。よく休めた!ありがとう!!」

 

おいおいおいおい。

なんとまあいい奴なんでしょうか。

気を遣って言ってる言葉ではないです。きっと。

時間と仕事に追われる日本で、こんなことを言う人はきっといないでしょう。もしいたら、その人の職は間違いなく執事さん。

 

タンザニア人の優しさに触れ、心が温まるのと同時に思うことは、日本の忙しなさ。

ぼくらJOCVが直面する問題

「時間通りに、予定通りにことが進まない。」

我々が日本人だからなのか、相手が外国人だからなのか分かりませんが、多くのJOCVがきっと頭を抱えている。

 

が、このルーズさを僕らは見習った方がいいのかもしれません。

ルーズなのかリフライミングが上手なのか。

 

こういう時に、自分の小ささを実感する。

 

そして、やっぱりレッテルだけではない。いい人もいれば悪い人もいる。

仲良しの人もいれば、そうでない人もいる。人と付き合う上では、国文化言葉は関係ないということですね。